仲子千恵子さん (医療法人おのクリニック)

一度離れた医療の現場に、結婚、出産、夫の転勤を経て再び復帰。
子育て中も家族の理解と支えがあって、今まで10年以上続けてこられました。
- 事業所名 / 医療法人おのクリニック
- 業 種 / 医療業(看護師)
- 雇用形態 / 正社員
医療法人おのクリニック 看護師長の仲子千恵子さんにお話を伺いました。
こちらで働き始められたタイミングはどのような時でしたか?
私は周南市が地元で、以前は市内の総合病院に勤めていましたが、結婚を機に退職し、その後、夫の転勤で埼玉に引っ越ししました。
子どもが小学2年生と3歳のときに周南に戻ってくることになり、パートで働きに出ることができないかと思って仕事を探したところ、ちょうど当院の開業スタッフ募集の情報を友人が紹介してくれました。
周南への転居時期の関係で、最初の1年間は下の子を保育園に預けることができず、実家の母にお願いしなければいけなかったのですが、それでも、母が応援してくれるということでしたので、1日4時間程度のパートで働き始めました。
正社員になられたのはいつ頃でしたか?
正社員にならないかと声をかけていただいたのは、働き始めて1年ほど経ったころです。子どもが小学校の中学年くらいになるまではパートでいた方がいいようにも思いましたが、せっかくの機会だからと家族が背中を押してくれたこともあり、正社員としてフルタイムで働くことになりました。
仕事のタイミングが合わず学校行事に行けない時期もあったりして、子どもたちには寂しい思いをさせたり負担をかけたりしたこともあったと思います。それでも現在20歳と16歳になった子どもたちは、大変だね、と声をかけてくれることはあっても、私に仕事を辞めてほしいとは一度も言ったことがありませんでした。
お仕事のやりがいを感じるのはどのような時ですか
ライブラリのイベントに参加してくださった方が、「楽しかったよ」「また来るね」と笑顔で言ってくださるときがいちばんうれしいですね。
ライブラリは、私ともう一人のスタッフが中心になって企画を立て、運営しています。
病院に来られる方や、イベントに参加してくださる方たちとお話してご希望をお聞きしたりしながら、ヨガ教室やアロママッサージなどの定期講座や、コンサートや落語、講演会などのスペシャルプログラムを考えたりしています。また、この1月からは、健康相談や介護相談、理学療法士による健康体操や、おしゃべり、脳トレ、囲碁・・・となんでもありで、時間内はいつでも自由に立ち寄っていただける「元気サロン」というものも始めたところです。
ライブラリがオープンしてから2年がたち、定期的に開催できるイベントも増えてきて、地域の方だけでなく、カフェに来られた事がきっかけでライブラリのイベントに通ってこられるようになった方も増えてくるなど、取り組みが広がってきました。
こういった仕事は一般的な病院勤務ではなかなかできませんので、考えるのも運営もとても楽しいですし、参加してくださるみなさまの笑顔を見ると、医院を移転してこういう場ができたことがとてもうれしく感じられます。
今は新型コロナウィルスの影響でサロンもイベントもすべて休止せざるを得なくなっていることがとても残念です。みなさまの居場所として、早く再開できる日が来ることを祈っています。
取材を終えて
仲子さんは、開業当初からクリニックを支えてこられたベテラン看護師長さんです。病院に来られている患者さんにもライブラリの利用者さんにもとても明るく接されていて、病院に来られる方だけでなくスタッフの方にとっても安心感を与える存在のように見えました。
でも、そんな仲子さんにも、働く前や働き始めた頃、多くのママたちと同じような悩みや迷いがあったとのこと。少し驚いた半面、誰でもそうなのだと勇気をもらった気もします。
大変だねとねぎらってくれるお子さんたちとのエピソードも、がんばっているお母さんの背中は、子どもたちもしっかり見てくれているものなのだと思いました。
ライブラリのイベント情報も、なかなかレアな体験が身近でできる楽しそうなものが多いようですので、再開されたらぜひこまめにチェックして遊びに行ってみたいと思いました。