山方さん、藤本さん、岡村さん(医療法人治徳会 湯野温泉病院)

子育てを優先できる環境がいちばんの決め手になりました。家庭の用事で休みを取ることにも理解のある職場です。子どもの学校行事にも行けて助かっています。
- 事業所名 / 医療法人治徳会 湯野温泉病院
- 業 種 / 医療サービス業
- 雇用形態 / 正職員
山方さん、藤本さん、岡村さんにお話を伺いました。
なぜこちらで働こうと思われたのですか?
【山方さん】以前は准看護師として別の病院で働いていたのですが、仕事が忙しく、子育てと両立させることを大変に感じるようになっていました。そこで環境を変えたいと思って転職活動を始め、当院の面接で子育てを優先できる環境だと感じられたことから、こちらへの転職を決めました。
現在は勤務して10年目になります。子どもは16歳と14歳になりましたが、小さい頃は市内の保育園と院内保育所を利用しながら仕事をしていました。
【藤本さん】以前は、病気になったばかりの方の治療を行う急性期病院に勤めていました。とても忙しい職場でやりがいも感じていましたが、将来的に出産して子育てをしていきたいと思っていましたので、家庭と仕事を両立しやすい職場で働きたいと思い、こちらに転職をしました。院内保育所があり、仕事も定時で終えられることが魅力でした。
【岡村さん】以前は異業種で働いており、出産を機に辞めていました。出産して子育てをする中で、今後育児と両立しながら働いていくには看護師になりたいと思うようになり、育児の合間に勉強して看護師資格を取得したんです。当院は、看護師専門の就職支援サイトで紹介してもらいました。
実際に働いてみて、育児のサポート環境はいかがですか?
【山方さん】私は日勤も夜勤もしていますが、シフトは事前に希望を聞いて調整してもらえます。我が家の子どもたちはもうだいぶ大きくなりましたが、夜勤など、子どもの事情に合わせて調整したいときもありますし、行事で平日に学校に行くような日もあります。プライベートの用事で休んだり勤務を調整したりすることに理解のある職場なのでありがたいです。
【藤本さん】私は一人目の子どもの妊娠中から、夜勤を外して日勤のみで入らせてもらっています。出産後は一年間の育児休暇をいただきました。復帰してからは院内保育所を利用し、朝は1歳の息子と一緒に来て、仕事が終わったら一緒に帰る生活です。保育所が職場から近いので安心して働けます。
【岡村さん】私は初めから日勤のみという条件で入らせてもらいました。市内の保育園を利用していますが、残業がほぼなく定時で帰れるので、子どもの迎えに遅れずに行けて助かっています。
【魚谷看護師長】職場では、お子さんの行事などの際は遠慮なく休むようにと言っています。私自身も院内保育所を利用したり、子どもの行事で休みをもらったりしながら働き続けてきました。当院では数十年前から代々そうしてきていますので、子育てや家庭との両立をみんなで支えようという風土がしっかりと根付いていると思います。定時で帰るようにと声掛けもしていますし、お子さんのいる方には働きやすい職場だと思います。
仕事と家庭の両立について工夫されていることはありますか?
【岡村さん】仕事を始めるにあたって、仕事と家事、特に子育てをきちんとできるかが一番の不安でした。全部を全力でしようとすると続かないと思い、家事を夫と分担したり、疲れた時は惣菜を買って帰ったりするなどして無理をしないようにバランスをとっています。
また、仕事復帰前と比べて子どもと過ごす時間が減ってしまうので、子どもとの時間にはスキンシップを多く取るように心がけています。
【藤本さん】今は二人目の妊娠中なので、まだ幼い上の子どもを連れて一人で買い出しに行くのは想像以上に大変です。そこで、買い出しを週一回にまとめて、夫も一緒に行ってもらうように工夫してみました。まとめ買いで時短にもなっています。
業務面での職場環境についてはいかがですか?
【岡村さん】私は看護の仕事に就いてまだ日が浅いので、覚えなければいけないことや戸惑うことがたくさんありますが、先輩方にいろいろと教えていただいています。気軽に相談できる環境で、とてもありがたいです。わからないことはすぐに先輩に相談し、抱えこまないようにしています。
【魚谷看護師長】職員の年齢層は幅広く、看護の仕事に関する知識や経験もベテランから資格取得中まで様々ですが、職場の雰囲気としては和気あいあいとした明るい感じだと思います。
先輩がしっかりフォローして日々の業務の中でスキルを磨ける体制にしているのはもちろん、スキルアップのための研修の機会も多く設けています。資格取得の支援だけでなく、外部機関で開催される研修にも、関心がある方にはどんどん参加してもらっており、個人の意欲的・積極的な取り組みを後押ししています。
看護師資格の取得支援制度を利用されている職員の方はいらっしゃいますか。
【山方さん】私は今年の春に国家試験を受けて准看護師から看護師になりました。
この2年間は働きながら通信制の学校で勉強をしました。学校の状況に合わせて仕事のシフトを変更させてもらい、看護師の先輩たちからの様々なアドバイスももらうなど、職場の応援は心強いものでした。また、実務に携わりながら学び直したことで、日々の業務を再確認しながら新しい知識を入れることができ、学びがより一層深まったように思っています。
目指していた看護師になることができたのは、職場と家族のサポートのおかげです。子ども達は、私が頑張る姿を見ていてくれたのか、「将来は看護師になりたい」と、言ってくれたのがとても嬉しいですね。今は、仕事面でも精神面でもとても充実しています。
看護師としてやりがいを感じるのはどのような時ですか?
【山方さん】患者さんにありがとうと言っていただいた時は、やはりうれしいです。私は現場に出て患者さんのケアをするのがとても好きなので、それができる時間は特に充実感を感じることができます。
【藤本さん】以前にいた急性期病院では、1〜2週間で退院される方が多かったので、患者さんの顔と名前を覚える間もないほどでした。当院は長期療養の患者さんが多いため、患者さんお一人ずつとゆっくり向き合って信頼関係を作り、しっかりケアをさせていただくことができるのはうれしく思っています。
【岡村さん】患者さんの中にはいろいろな状態の方がいらっしゃいますので、コミュニケーションをとるのがなかなか難しい方もいらっしゃいます。それでもそういった方がありがとうと言って笑顔を見せてくださったような時は、こちらの思いが通じていると感じられて、温かいうれしい気持ちになります。
取材を終えて
湯野温泉病院の職員の方は、今回お話を伺った皆さんのように、別の職場を経て働き方を子育てにシフトチェンジして来られる方が多いそうです。ここ数年、「働き方改革」と言われるからこそなおさらに、ライフステージに合わせた働き方への理解と相談をしやすい組織風土を長年かけて作り上げられてこられた先輩たちの取組みのすばらしさが改めて感じられました。現在も勤務歴が最も長い魚谷看護師長をはじめ、働くママが多いこともあり、長く勤められる、勤めたくなる環境だと感じました。
また、子育てを優先した職場選びをしながらも、自分の働き方をしっかり考えられている皆さんの意識の高さが、とてもまぶしく見えました。仕事に復帰してみようというチャレンジやスキルアップのチャレンジ、その内容もタイミングも人それぞれですが、一歩踏み出した皆さんの充実した笑顔は、生き生きとしてとても素敵でした。