子育てママ応援企業

白石麻衣さん、村上愛子さん(株式会社イコーズ)

株式会社イコーズ

出産や育児、家庭内のやりくりを通して、私自身も成長し、仕事の進め方もうまくなったようです。無理をせず、自分が楽しいなと思える仕事に出会えるといいですね。

  • 事業所名 / 株式会社イコーズ
  • 業  種 / 海運業
  • 雇用形態 / 正社員

白石麻衣さん(左)、村上愛子さん(右)にお話をお伺いしました。

 

なぜこちらで働こうと思われたのですか?

【村上さん】私はこの会社に入る前からずっと船の仕事をしてきました。水産系の大学の出身で、同級生は船員の道に進む人が多かったのですが、私は在学中に出会った「船舶の安全で経済的な運航に必要な過程を研究する学問」である「航海学」に強い魅力を感じ、船に乗る方ではなく、学んだことを陸上で活かせる仕事を選びました。以前は大阪で働いていましたが、実家の大分に近いということでこの会社に入社し、もうすぐ9年目に入ります。

【白石さん】私も、前職も船関連の会社に勤めていました。私の場合は船を専門に勉強した訳ではなく、いろいろな職種を経験してきました。この会社は、地元に戻ることになって前職を退職する際、前職の社長に紹介してもらったので、たまたま船の仕事が続いたというのが正直なところです。業界の専門的な知識等は、実務の中で学んできました。

 

どのような仕事を担当していますか?

【白石さん】私は人財開発室に所属しています。船員さんのケアや研修企画、給与関連事務など海上職の船員さんのフォローをする部署です。私は、新卒者や入って間もない船員さんのフォローが中心で、LINEの相談窓口で乗船中の悩み事や困り事に関する相談を受けることもあります。
船員さんは船に乗ったら1ヶ月半から2ヶ月以上海上で過ごすことになります。そういった特殊な環境なので、相談を受けるときは、船上のメンバーとは離れた存在で、かつ彼らの現場環境を理解する第三者として話を聞くことを心掛けています。
長期の海上生活での船員さんの精神的な負担を軽くすることができると嬉しいですね。

【村上さん】私は工務部に所属しています。工務部は、エンジンなど船を走らせる機器の保守・管理をする部署です。全国の海を航行している船に機器のトラブルが起きた時、必要な部品を必要な場所に届けるように手配するのが今の仕事です。


やりがいを感じるのはどのような時ですか?

【村上さん】保守に必要な部品はその船が着く港に送るのですが、トラブルはいつ起こるかわからないので、発生すると緊急で対応が必要な場合もあります。あらかじめ決まっている出港日時までに対応が間に合うかどうか、ヒヤヒヤすることもしばしばです。いろいろな人に協力してもらって様々なアイデアを検討し、無事間に合わせることが出来た時は達成感を感じます。普段からコミュニケーションの多い職場なので、助けが必要な時も相談しやすいですね。

 

【白石さん】新入社員の船員さんの対応をしているので、新人当時に対応した方が経験を積んで立派に活躍している様子を見るとうれしくなります。船員の職務は30等級に分かれていて、職務を上がるスピードは速い人もいれば、ゆっくり上がっていく人もいます。それぞれ頑張っているなと思いながら見守っています。

お二人とも育児中とのことですが、育児をしながら働く環境としてはいかがですか?

【村上さん】子どもは現在3歳で、一昨年4月に育児休暇から復帰しました。保育園が4月入園のタイミングでないと入れなかったため、会社に相談して育休期間を延ばしてもらいました。

育休中も職場とは連絡を取っていて、「早く戻ってこい、仕事いっぱいあるよ」と言われていましたので、戻る場所があるだろうかという不安を感じることなく過ごせたのはありがたかったです。

今は毎日、子どもの保育園の送り迎えをしていて、残業も本当に必要な時以外は極力しないようにしています。上司自身も同じくらいのお子さんがいて子育て真っ最中のため、こちらの状況も理解してくれるので働きやすいです。

【白石さん】私も2歳の子どもがいますので、休みを取りやすいのがありがたいです。普段からチームで仕事を共有して誰かが抜けても補える体制を整えており、他の人でも自分の業務の対応ができるのは安心です。子どもの突発的な病気や学校行事でも遠慮せずに休むことができて助かっています。

仕事と家庭の両立のために工夫されていることはありますか?

【村上さん】夫はもともと家事をやるタイプではなく、子どもが生まれる前は私が主に家事をしていました。でも、子どもが生まれてからは、我慢せずに夫にやってほしいことは伝えるようになりました。時にはけんかもしながらですが、今はお互いに得意なことで役割分担するかたちにたどり着きました。夫は洗濯物を丁寧にたたむのが得意なんですよ!最近は朝ごはんを夫に準備してもらっていて、助かっています。

【白石さん】うちの場合は、お互いに一人暮らしをしていた期間が長かったので、夫も家事は一通りできます。特に分担を決めることはせず、お互いに気づいたところをフォローしあっています。それと夫の両親が近くに住んでいるので、困った時には頼める人がいるのは心強いですね。

これから働きたいと考えている方へのメッセージをお願いします。

【白石さん】私も職をいくつか変えてきましたが、自分の生活スタイルに合う会社を選ぶことを大事にされるのがいいと思います。自分の今の状況で働けるかどうか、休みのことや心配なこと等、聞きたいことがあれば入る前に聞いて、会社とコミュニケーションを取りながら合うところを探すといいのではないでしょうか。

また、短い育休期間でしたが、復帰してから、仕事の進め方がうまくなったと言われることがあります。出産や育児、家庭内のやりくりを通して、子どもだけでなく私自身も成長したのかもしれません。皆さんのどんな経験も必ず生きてくると思いますので、ぜひ自信をもって挑戦していただけたらと思います。

【村上さん】結婚や出産、子育てを経験する中で、少しずつ自分の気持ちや考えを自然に周囲に伝えられるようになってきたように思います。仕事も家事も、ひとりで頑張りすぎないことがいちばんではないでしょうか。頑張りすぎちゃったら、疲れてイライラしてしまって良いことはないですから。無理をせず、自分が楽しいなと思える仕事に出会えるといいですね。

 

取材を終えて

育児休暇から復帰して2年目のお二人。女性社員が3割と少数派の職場で、まだ小さなお子さんを育てながら働くのは大変ではないかなと想像していました。しかし、男性陣も理解があり、とても働きやすそうな職場だと感じました。同時に、お二人が自分自身も変わったと話されているように、周囲のサポート環境だけでなく、自分から周囲に働きかけて環境をつくることも大事なことだと気づかされました。それぞれのステージで都度悩むことはありますが、小さなチャレンジを重ねて少しずつ前進していきたいですね。